大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)3126 判決

主 文

本件上告を棄却する

理 由

弁護人工藤慎吉の上告趣意第一点について。

しかし如何なる程度に証拠調べを行うかは、事実審たる原審裁判所の自由裁量に

委ねられているところであるから、原審が所論の証人申請を却下したからとて、こ

れを以て採証の法則に違反するものということはできない。なお原判決挙示の証拠

によれば、判示犯罪事実は優にこれを認めることができるのであるから、原判決に

審理不尽の違法があるという非難もあたらない。論旨は理由がない。

同上第二点について。

しかし所論のような量刑不当の主張は適法な上告理由となり得ない。

弁護人内藤丈夫の上告趣意第一点について。

しかし被告人の前科は、罪となるべき事実ではなく、単なる情状に過ぎないから、

これについて厳格な証拠説明を必要としないものである。のみならず原判決が証拠

として採用したのは被告人の原審公判廷における供述である。さうして公判廷にお

ける被告人の供述が憲法第三八条第三項にいわゆる本人の自白の中に含まれないこ

とは、既に当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一六八号同年七月二九日大法廷判

決、昭和二三年(れ)第一五四四号同二四年四月二〇日大法廷判決)に示されてい

る通りである。それ故に原判決を以て憲法に違反するものとする論旨は採用するこ

とができない。

同上第二点について。

前記のように前科は罪となるべき事実ではないから、前刑の言渡された日時が判

示されていないからとて、これを以て違法ということはできない。所論のようにこ

れを事実の誤認というならば、適法な上告理由となり得ないことである。

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同上第三点について。

しかし量刑不当の主張は適法な上告理由となり得ない。

以上の理由により旧刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。

この判決は公判廷の自白に関する井上、穂積両裁判官の少数意見(前記判例参照)

を除く外裁判官一致の意見によるものである。

検察官 茂見義勝関与

昭和二五年五月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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